林業お試しツアー2019 in十勝(浦幌町・幕別町 )女性限定ツアー実施レポート

【9月11日(水):1日目】

①オリエンテーション( 複合施設FUTABA :浦幌町)

女性限定ツアーとして開催し、2名の女性に参加いただきました。ツアー行程の説明と自己紹介の後、十勝総合振興局林務部の法島専門主任より、道有林の主な取組について説明を受けました。道有林の概要や、道有林基本計画、胆振東部地震被災箇所の復旧・復興に向けた取組、エゾシカ森林被害防止対策などについてお話しいただきました。

② 安全講習 ( 複合施設FUTABA :浦幌町)

次に、林業・木材製造業労働災害防止協会(林災防)北海道支部釧路分会の大道寺事務局長より、安全講習をしていただきました。林災防の設立目的や事業内容、林業における労働災害の発生状況、チェーンソー・刈払機を使用する際に受講が必要な講習等についてご説明をいただいた後、チェーンソーの取扱に関するDVDを視聴しました。

十勝総合振興局林務課法島主任より、道有林の主な取組についてお話をうかがう
林災防釧路分会の大道寺事務局長より安全講習

【9月12日(木):2日目】

③ 地拵え・枝打ち作業体験と意見交換 ( 北村林業(株) :浦幌町)

朝6時、北村林業(株)の社屋前での朝礼からスタート。ラジオ体操や、社長のお話、リーダーによる本日の作業の確認などの後、社員の方々は車に乗り合わせてそれぞれの現場へ向かいます。北村林業(株)は若い社員がとても多く、女性も5名いるため、車列にはトイレを搭載した軽トラックも。林業ツアーのメンバーは、豊頃町の道有林へ向かい、地拵え作業を体験しました。

来年の春に木を植えることができるように、大きな枝はチェーンソーで切りながら、残った枝などを片付けていきます。チェーンソーを扱う人を含め、2人もしくは3人でグループになって作業を行いました。また作業後には、女性就業者との意見交換会も行いました。皆さん北村林業(株)に就職するため移住してきた方々です。「休日はどんなことをして過ごしていますか」「この仕事に就いて良かったと思うのはどんな時ですか」などの質問が出されていました。

次に、別の道有林に移動し、十勝総合振興局森林室の濱田室長、佐々木課長、大上野主幹に説明を受けながら、トドマツの枝打ち作業を行いました。日当たりを良くして木の生育を良くするために、どの枝を落とすといいのか見極め、ノコギリで枝の根元から切り落とす作業です。短い時間ではあったが、参加者は新鮮味もあり楽しく作業ができた様子でした。

北村林業社屋前での朝礼
地拵え作業の体験
軽トラックに搭載されたトイレ
現場に到着し、作業内容の説明をいただく
女性社員との意見交換。この現場の女性は3名
枝打ち作業体験
④ 素材生産現場見学と意見交換 

大樹町の道有林に移動し、午後は素材生産の現場見学です。見学の前に、十勝総合振興局森林室の佐々木課長、大上野主幹にのこぎりの目立てを教えていただきました。

北村林業(株)では、日本にまだ数台しか入っていない高性能林業機械・ハイランダーを導入しています。走行性能の高い6輪駆動ホイールの車体に、ハーベスタとスキッダの2つの機能を盛り込んだ複合機で、伐倒から集材、玉切りまでできる次世代機種です。オペレーターの社員の方はとても操作に慣れており、次々と伐倒して集材を行う作業を見て参加者は圧倒された様子でした。そのハイランダーに試乗体験もさせていただきました。

素材生産現場では2名の女性社員も林業機械を操作し、とても慣れた様子で玉切りや集材を行っていました。女性社員との意見交換では、普段の暮らしや仕事の様子、今後の目標など様々な視点からのお話を聞くことができました。

のこぎりの目立ての仕方を教えていただく
狭い伐倒幅にも侵入し次々とトドマツを伐倒
この現場の女性社員2名との意見交換
高性能の最新機械・ハイランダー
ハイランダーの試乗体験
素材生産現場で記念撮影
⑤ 浦幌を知るプログラム ( (株)リペリエンス :浦幌町)

今回のツアーは林業の現場を知るだけでなく、そこに住んだらどんな暮らしがあるのかイメージしていただくためにも、浦幌のまちについても知るツアーを行いました。浦幌町の地域おこし協力隊でもある(株)リペリエンスの小松さんに、浦幌町内をご案内いただきました。

まずは農水産物直売所「ザ・ベジタブルショップ21」へ。浦幌町の新鮮な野菜などがお手ごろ価格で販売されていて、木工製品などもあります。伏見稲荷神社・浦幌神社・乳神神社などが集まっている浦河町のパワースポットも散策しました。

次に、昆布刈石展望台近くの、太平洋を一望できる絶景スポットへ。断崖を活かしてパラグライダーの発着場でもあると小松さんから説明がありました。また、浦幌町のハマナスを使ったオーガニックコスメの原料を育てる「まちなか農園」も訪れました。もともと地元の中学生のアイデアから生まれた商品で、町内の有志やNPO法人の方々も手入れに参加しているとのこと。最後に、特産品がいっぱいの「道の駅うらほろ」にも行き、お土産を買ったりしました。

鮮野菜がたくさんある農水産物直売所
浦幌町のまちなみ
北海道らしい広大な景色と広い海が広がる
木工製品なども販売している
神社が集まる浦幌町のパワースポット
「まちなか農園」ではハマナスが咲いていた
⑥懇親会(浦幌町内)

北村林業(株)の北村社長と女性社員の皆さん、(株)リペリエンスの小松さん、十勝総合振興局森林室の皆さんに参加いただき、懇親会を行いました。ツアー参加者も含め、皆さんで和やかに談笑した。北村社長と女性社員の皆さんはとてもフランクにお話をされているのが印象的でした。最後に北村社長から、参加者の今後にエールが送られました。

和やかな懇親会の様子
北村社長から挨拶

【9月13日(木):3日目】

⑦苗畑見学と作業体験((有)大坂林業:幕別町)

(有)大坂林業の社屋で、松村社長と大坂取締役より事業の概要についてご説明いただきました。今年で操業70周年、元々はチップ工場から始まり、苗畑をつくるようになってから46年、中学校を卒業して働き始めた方が今70代になっても働いているとのことです。畑で苗を作っていた昔ながらのやり方から、植栽時期が限定されないコンテナ苗にシフトチェンジしてきており、機械化も進んでいるとのことである。季節雇用者は高齢化も進んできており、冬の仕事をつくらなくてはならないという課題もあるが、通年雇用を進め、ここ近年は新卒採用も行っています。
作業体験では、ベテランの従業員の方々に教えていただきながら、苗を規格に合わせ選別する作業を行いました。ベテランの方々は教え方も上手で、参加者は、お話をしながら青空の下で気持ち良く作業を行っている様子でした。

松村社長より会社の事業概要についての説明
種を植えた育苗用トレー
大坂取締役よりコンテナ苗についての説明
苗を規格ごとに選別する作業を体験
⑧製材所・木材加工工場見学(オムニス林産共同組合:幕別町)

ツアーの最後は製材の現場見学です。まず初めに瀬上代表理事より事業の概要について説明いただきました。組合は十勝産カラマツ材の有効利用を目指し設立されました。30名超の従業員の平均年齢は36歳で、一番若い方で18歳。もう少し従業員を増やしたい、休日も以前より多くしたとのことです。日本の林業についても様々なお話をうかがいました。日本の森林面積と蓄積量、木材供給量と自給率の推移、為替の影響が非常に大きいという木材産業の衰退要因、木材の用途などについてお話いただきました。カラマツ材の箸や林業に関する書籍も参加者にプレゼントしていただきました。

その後、大型機械が並ぶ工場内を案内していただきました。選別ラインを通って皮むき、丸材から角材へ、板割り、寸法に合わせカット、検品と自動積込み、乾燥と丸太がラインを通ってどんどん製材されていく様子を、参加者は興味深い様子で見学していました。

事務所に戻り、ツアーを振り返りアンケートを記入してツアーは終了しました。

瀬上代表理事より事業の概要についてや、日本の木材についての説明
大型機械の並ぶ工場内の見学
遠隔オペレーションシステムも導入されている
木材乾燥機の見学