林業お試しツアー2019 in 石狩・札幌エリア 実施レポート

【9月25日(水):1日目】

①オリエンテーション (石狩総合振興局:札幌市) 

ツアー行程の説明の後、参加者と関係者の自己紹介を行ないました。
石狩総合振興局農林課荻野課長から、石狩エリアの林業の概要を説明いただきました。川上から川下への林業の循環サイクルについても紹介し、北海道庁林業木材課から、種苗生産に関わる事業者の仕事内容や年間を通した生産サイクルについて説明しました。

参加者は札幌在住の女性2人と、石狩エリアでの林業就業を検討している男性1人
石狩総合振興局から、地域の林業について紹介
② 安全講習 (石狩総合振興局:札幌市) 

林業・木材製造業労働災害防止協会指導員の駒田氏を講師に安全対策講習を行ないました。北海道の林業の概要の説明のあと、林業に関わる事故について、慣れてくるに従って事故が増えることや、欧米との安全対策の違いなどについてお聞きしました。またチェーンソーと刈払機の仕組みや取り扱い方法、危険な操作などについて詳しく説明いただきました。最後に、林業の防護服やヘルメットの性能などを説明いただき、防護服を試着しました。

林業の安全対策についての講習
チェーンソーの使用上の注意事項の説明
③ 石狩市の地域資源紹介(道の駅石狩「あいろーど厚田」:石狩市)

翌日林業体験を行う石狩市について知るため、道の駅石狩「あいろーど厚田」の郷土資料コーナーを見学しました。施設を案内いただき、石狩市の地理や歴史、産業、文化などについて説明をお聞きしました。終わり頃には展望所から日本海の素晴らしい夕日を望むことができました。

石狩市の地理、歴史、産業を学びます
日本海を一望する夕日の絶景が厚田の名物

【9月26日(木):2日目】

④林業作業体験(石狩市森林組合:石狩市)

石狩市森林組合の事務室にて、藤田事務局長と浅海業務課長に組合の概要や就業状況について説明していただいた後、石狩市内の現場に向かいました。

石狩では林業の基本として、手作業でのトドマツの苗の植え付けを体験。浅海課長の作業説明のあと、従業員の皆さんからマンツーマンで指導を受けながら、実際に苗植え作業を行いました。一見簡単な作業のようで手早くきちんと植えていくにはコツと工夫が必要とのこと。また、土の状況によっては穴を掘る作業が大変なため、石狩市森林組合で開発しているという「オーガー」を試験的に使わせていただきました。下刈りの作業と森林調査に使用しているというドローンのデモンストレーションを見学しました。

苗植え作業をしながら、作業を効率的にするには一つの仕事だけでなくいろいろな作業を知っていることが大切であることや、林業では体力を要することだけでなく事務的な仕事や現場管理もあり、女性の活躍の場も多いことなどをお聞きしました。参加者は本格的な作業を見学・体験でき、大変満足した様子でした。

最初に森林組合事務所で、森林組合の仕事や石狩市の林業についてうかがいました
少しずつ作業に慣れていきました
技術者さんに鍬で植え穴を開けて苗を植える方法を教えていただきます
「オーガー」で植え穴を開ける体験
⑤林業作業体験(札幌市森林組合:札幌市)

午後からは札幌市森林組合の現場がある白旗山に移動しました。

作業現場は森林組合が仕事を依頼されている民間の土地で、チェーンソーを使った間伐作業を見学しました。最初に菅村参事から林業に使用されるさまざまな重機の説明を受けました。その後、若手の職人さんによる伐倒の様子を見学しました。下準備として木の胸高直径と樹高(対象の木は21mだった)を図り、周囲の安全確保を行ったあと、チェーンソーで伐倒を行いました。静かな森の中にドシーンという大迫力の音が響き渡ります。大きな枝を払った後は、高性能林業機械にバトンタッチし、木材をつかんで長さを切り揃える作業を見学しました。重機は重労働を担ってくれるけれど、取り扱いを注意しなければ重大な事故を引き起こすことがあり、安全対策と日頃の安全管理、機械整備が大切であることを教えていただきました。

札幌市森林組合では別の仕事から転職した若い方が職人になっている例が多いそうです。札幌市森林組合が主に仕事をする白旗山は札幌市の所有する森林で、同じ種類の木をたくさん植えるのでなく多様な木が混ざって生育する混交林化を進めているそうです。

札幌市森林組合では実際にチェーンソーや重機を使って木を切る素材生産作業のようすを見学し、林業を担う重機の役割についても学ぶことができました。

伐採する木の大きさを図り、倒す方向を検討
チェーンソーによる枝払いを見学
木の周囲の下草などを取り除き、倒す方向に受け口を入れます
高性能林業機械による作業を見学

【9月27日(金):3日目】

⑥木材加工施設の見学・体験(株式会社ヨシダ:苫小牧市)

3日目は苫小牧市にある木材加工業、株式会社ヨシダを見学しました。

最初に事務所2階会議室にて、吉田専務から会社の概要をお聞きした後、工場を見学。株式会社ヨシダでは北海道のトドマツを主な材料に土木資材や建築材、梱包材等の製材を行っています。4年前に新設したという工場の敷地にはこれから加工される木材が高く積まれていました。一本の木から製材になるのは半分で、残りはチップに加工したり、細かなものはおがくずとして活用され、余すところなく活用されています。大きな工場の中では、いくつもの最先端の機械が稼働しているようすを見学しました。機械が効率的な材料の取り方を判断し、切断していくのを従業員の方が管理・補助していく。無駄を省き、安全に配慮した職場づくりが行われています。工場の仕事では休憩時間をしっかりとることや、日頃からの道具の手入れなどが大切とのこと。その後は本社工場に移動し、より人の手が必要な製材作業について見学。そちらではベテランの職人さんや女性の職人も活躍していました。労働環境などについては、休日などの労働環境にも配慮し、障がいのある方の雇用にも積極的に取り組んでいるとのことでした。

一本の木がどのように製品として加工されているのか、また最先端の機械による加工の様子を見学することができ、参加者は大変勉強になった様子でした。

会社の歴史や経営理念についてお聞きしました
最先端の機械が導入されており、どのように製材するかを一瞬で判断しているそう
広い敷地に、これから製材するたくさんの木材が積まれています
木材を余すところなく活用し、さまざまな用途や大きさの材料が作られています
⑦加工施設の見学・体験(株式会社岡田建具製作所:恵庭市)

午後からは、実際に製材された木材がどのように使われているかを知るために、恵庭市にある株式会社岡田建具製作所を見学しました。はじめに、ショールームも兼ねている事務所で、岡田代表取締役から事業内容をお聞きしました。さまざまな世代の従業員の方が働いており、転職されてきた方も少なくないそうです。ショールームの建具はオリジナルで、その多くが社長のデザインだということでした。

続いて工場内を見学させていただき、どのような物に木材が加工されているのかを実際に見学しました。ほとんどが住宅メーカー等からの注文によるもので、個別の建物に合わせてサイズや素材、色などの注文に応じて製品を作っているそうです。働く方々はベテランの職人さんもいれば、若手や女性の方も活躍されていました。工場内は安全管理と仕事の効率化のため整理整頓され、木材の粉まで集塵ダクトで集めて綺麗な環境で作業ができるようになっていました。最後に、建具づくりのミニ体験として、木材を組み上げて小さな箱を作る体験をさせていただきました。今回の見学体験のために特別に材料を用意していただいたもので、参加者一同感激して作業に取り掛かりました。そのおかげで、建具づくりの職人さんの細かく丁寧な作業を体験することができました。普段見ることのない建具づくりの作業を見学・体験でき、木材の活用の現場についても知ることができ、参加者は大変満足した様子でした。

最初にショールームにて建具製作の仕事についてうかがいました
若い職人さんが細かな細工の建具を組み上げている様子
建具づくりの体験として、木材を組み上げて小箱を作る体験をさせていただきました。
女性従業員の方も活躍されています
広いフロアにいくつもの製品を作るパートが配置されています
製作した小箱を持って記念撮影
⑧振り返りの会

全プログラムを終え、道の駅「花ロードえにわ」でアンケートを記入してツアーを終了しました。

参加者はこの3日間で様々な林業の現場を体験し、林業について理解を深めることができた。また受け入れ先の各企業等では丁寧な説明をいただき、熱意を持って働く方々に触れ、直接話を聞けたことに刺激を受けた様子でした。木材に関わる幅広い職種を知ることで、仕事のイメージが膨らんだようです。