【10月29日(月:1日目)】
本日から、釧路市や標茶町などの釧路エリアで実施される林業お試しツアーには、札幌市在住と江別市在住の20代女子学生2名が参加しました。
プログラムの最初は、釧路市内の釧路総合振興局内において、林務課主任の前畑さんから北海道及び釧路地方の林業の特徴の他、林業に関する最近の話題について説明がありました。特に葉から抽出した成分が原料の芳香剤や、樹種による木製品の違いなどに興味があるようでした。また、加藤普及課長から「森林室」はどういう仕事をしているところかの説明もありました。


その後、林業労働安全講習を安全衛生指導員の市村さんから講義して頂きました。特に、体験で使用予定の刈払機とチェーンソーの基本的な取扱いの説明の他、現場作業で必ず必要になる「目立て」について、実際に体験してもらいました。
市村さん、十勝方面から100km以上の道のりを講義のために来て頂き、どうも有難うございました。




明日から本格的に釧路エリアの林業に関する体験・見学がスタートします。
【10月30日(火:2日目)】
今日から作業体験や工場見学等の本格的なツアーのスタートです。
まずは、本ツアーの中心地となる標茶町に移動しますが、参加者は2人とも道東が初めてとの事で、途中の釧路湿原に寄りました。それから、林業のスタートとなる苗木を生産している箇所へ行きます。受入れは有限会社谷口種苗農園さんで、中川さんが応対してくれました。参加者も2人とも女性ということで、ざっくばらんな会話ができました。中川さん、お忙しいところ、有難うございました。








午後の最初は、標茶町有林内で植付け体験でした。標茶町森林組合の平川参事らの指導の下、(有)谷口種苗農園さんで生産したアカエゾマツを植えてみます。完全に掘り起こすのではなく、鍬を入れた隙間から苗木を植え付けるのが難しいところでした。
引き続き、隣接のカラマツの町有林で森林調査体験を行いました。調査区を設定した後、毎木調査の一環として胸高直径を輪尺で、樹高を測幹ポールでそれぞれ計測しました。計測結果を基に、後日ヘクタール当たりの蓄積を算出し、間伐による収入などのシミュレーションをしました。標茶町森林組合の皆さん、大変有難うございました。
体験後、釧路湿原に沈む夕日を見ることができました!








【10月31日(水:3日目)】
本日も標茶町内で、各種体験・見学を行います。
午前中は、町内の7年生のカラマツ林において、標茶町森林組合の野呂組合長らの指導の下、下刈り体験をしました。刈払機の日頃のメンテナンスの重要性が分かりました。引き続き、23年生のカラマツ林に移動し、枝打ち作業体験を行いました。良材を生産するために必要な作業ですが、高所用鋸を使っての作業は中々大変です。
標茶町森林組合の皆さん、連日でのご指導、有難うございました。








午後は、標茶町役場の久保田さんから、標茶町の特徴や移住施策などについて説明をして頂きました。説明後は、実際に町内の各施設を訪ねてみました。町役場に戻ってきてからは、地域の林業事業体の働き方の一例として、標茶町森林組合の就業状況について、平川参事から説明をして頂きました。




作業の終了後には、関係者で懇親会を行いました。説明や指導をして頂いた皆様、大変お疲れ様でした。


【11月1日(木:4日目)】
本日から11月となり、最低気温がマイナスとなりましたが、降雪は道東では遅いです。
午前中は、弟子屈町に社屋のある今井林業株式会社さんにお邪魔し、素材生産現場の見学とチェーンソーの作業体験をさせて頂きます。西村社長に先導して頂き、着いたのは国後島が望める標津町の国有林で、列状間伐の作業現場でした。約70kmの道のりを、弟子屈町から毎日通っている事に、まず驚きました。最初は、チェーンソーの操作体験です。現場代理人の須藤さんと松岡さんの指導後に、参加者がそれぞれ体験しました。そして、高性能林業機械が稼働する伐倒現場の見学と、簡単な操作を体験させて頂きました。
西村社長をはじめ、今井林業の皆さん、ツアーの受入れをして頂き、有難うございました。










昼食後は、約75km離れた浜中町の厚浜木材加工協同組合さんにお邪魔しました。丸善木材株式会社の石川部長から、協同組合の形態や事業内容の説明を受けた後、敷地内の工場群や集成材の施工現場などの見学をさせて頂きました。
石川部長、ご多用のところ、有難うございました。








見学後、釧路市内まで約70kmの移動をしました。本日は、移動距離がかなりありましたが、道東での移動する際の距離感覚が分かってもらえたと思います。
【11月2日(金:5日目)】
道東は、秋晴れが続いていますが、最終日の今日は快晴です。
午前中は株式会社北都さんで、森林資源の新たな有効利用として注目されている、トドマツ葉の精油工場の見学です。山﨑社長から概要説明をして頂いた後、工場内を見学しました。参加者の一人は森林の健康増進機能に興味があり、積極的に質問をしていました。
山﨑社長をはじめ、(株)北都の皆さん、どうも有難うございました。




続いて、昨日お邪魔した厚浜木材加工協同組合で作られた集成材が実際に使われている温根内ビジターセンター(VC)にお邪魔しました。


以上で、釧路エリア林業お試しツアーは終了です。
昼食後は、道庁林業木材課の森久保主査と釧路総合振興局林務課の前畑主任と共に、振興局内の会議室で、就業・移住相談会です。体験・見学内容をふりかえった後、林業への就業などについて意見交換をしました。「林業は就職先の選択肢の一つで、あとは覚悟の問題」など前向きなコメントもあり、今回のツアーで林業の様々な面を見学・体験したのが良かったようです。
4泊5日のツアーは、これで全て終了しました。帰りには、釧路港の夕焼けも見られました。ツアーに関係した皆様、大変お疲れ様でした!

