林業お試しツアー2018 空知エリア実施レポート

【10月23日(火:1日目)】

本日からの芦別市を中心とした空知エリアで実施される林業お試しツアーには、札幌市在住の20代女性の1名と、企業参加の2名が参加しました。
プログラムの最初は、岩見沢市内の空知総合振興局内で北海道及び空知地方の林業の特徴の他、空知地方での新たな取り組みである“炭鉄港”(近代北海道を築く基となった石炭・鉄鋼・港湾・鉄道のテーマで三都(空知・室蘭・小樽)を結ぶこと)や、数を増やしているワイナリーなどの話題についても説明がありました。参加者からは空知エリアのワイナリー数が意外に多いことに驚きの声がありました。

ツアー最初の座学は、林業だけでなく空知地方の特徴“炭鉄港”やワイナリーも説明

林業安全講習の様子。安全衛生指導員の駒田さん(左)がレジュメで説明

その後、林業労働安全講習を安全衛生指導員の駒田さんから講義して頂きました。特に、体験で使用予定の刈払機とチェーンソーの取扱いについて、「刈払機の使用時は、互いに15m以上離れることが重要」、「受け口、追い口でつるを作ることが重要」などポイントをご教示頂きました。
明日から本格的に空知エリアの林業に関する体験・見学がスタートします。

講義用の模型を用いて、機械の構造や取扱い方法などを説明しました

参加者は、実機を用いて、重量感などのリアリティを確認します

【10月24日(水:2日目)】

今日から作業体験や工場見学等の本格的なツアーのスタートです。
まずは、林業のスタートとなる苗木を生産している箇所の見学のため奈井江町に移動します。受入れは(有)尾上苗圃さんで、黒沼社長が応対してくれました。

黒沼社長の説明。朝方の雨で、本日の作業はお休みとなってしまいました

尾上苗圃さんでは、カラマツ、トドマツ、アカエゾマツ、グイマツ雑種F1の4種を生産

苗木の規格を瞬時に測定するカラマツ用の尺棒。短い棒が2号苗、長い棒が1号苗

カラマツ苗の根を確認。夏場の天候不良の影響で、今期の出荷を見送りました

倉庫の中も見学。液剤肥料を散布する機械や、苗を掘り起こす機械もあります

苗を植え付ける自走式の機械。2~3名が乗車し、苗木をセットして列状に等間隔で植栽

苗木の出荷時の梱包は、手作業でやっています。仮想で梱包をやって頂きました

昨今の潮流から、来期は裸苗だけではなくコンテナ苗にも挑戦する予定

午後は、栗山町に移動し、松原産業(株)の磯部執行役員らの案内の下、フローリング工場とバイオマスの活用現場の見学をさせて頂きました。
2社の皆さん、お忙しいところ、案内を頂き、有難うございました。

磯部執行役員(右)をはじめ、松原産業(株)さんから、まずは資料で会社の概要説明

「屋外での自然乾燥は、たとえ表面が雨で濡れても、材の深部の乾燥は進みます」

人工乾燥室に入る床材。材質により温度と期間を調整し、最適な手法で含水率を管理

長方形の板材だけでなく、特殊な形状の材を組み合わせるフローリングに感心

胆振東部地震の被害木は、割れや根があるため、チップやおが粉として活用

おが粉製造プラント。1日で50㎥の処理能力があります

おが粉製造機には17枚の刃があり、それぞれ曲がっているため板にはなりません

太い材は、グラップルを器用に使って縦割りにしてから機械に投入

【10月25日(木:3日目)】

本日から芦別市に移動し、各種体験・見学を行います。
午前中は、芦別市役所内において、芦別木材協会の永野専務の進行の下、芦別市を様々な角度から紹介して頂きました。最初は、農林課林務係の井上主任から、芦別市の暮らしや主要施設などの紹介がありました。次に、芦別観光協会の黒川さんと地域おこし協力隊の新村さんのお二人から、自分の移住経験談を語って頂きました。続いて、農林課林務係の石田係長から、芦別市の林業・林産業について、永野専務からは林業・林産業の雇用状況と将来展望などの話を頂きました。

永野専務(左)の挨拶から、芦別市に関する各種説明がスタート

黒川さん(中)と新村さん(左2人目)は、芦別市への移住者。黒川さんは世界100ヵ国以上の渡航経験がある中で、芦別市を選びました

石田係長は、淡々とした語り口に時折冗談が混ざり、周りを笑顔にします

 

午後からは、芦別市森林組合の藤田課長、午前中の新村さんの指導の下、現場で作業体験を行いました。最初は森林所有者の山根さんの植付け箇所にお邪魔し、植付け体験です。続いては、場所をカラマツの植栽地に移し、下刈り体験を行いました。下刈り済みの林地で基本動作を確認した後、要領が分かってきた段階で、林地周辺に繁茂する高茎草本にチャレンジしてみました。

午後は、山根さん(左2人目)の所有林で植付け体験。参加者は防護服を着用しました!

藤田課長の模範作業を真剣に見る参加者達。青空とカラマツの黄葉が目を引きます

早速チャレンジ。女性参加者の豪快な構えに、新村さんもビックリ!

山根さんからもアドバイスを頂きました。ちなみに、苗はネズミ被害の少ないグイマツF1

最後に記念撮影。快く受け入れて頂いた山根さん、有難うございました!

続いて、下刈り体験です。藤田課長が注意事項を伝え、初日の安全講習も思い出します

カラマツは十分大きく育っているので誤伐の心配はありません

作業中、天候が急変し小雨が降り出すと見事な虹が出現!

高茎草本の刈払いにもチャレンジ。密度が高いと中々難しいようです

作業の終了後には、関係者で懇親を深める食事会を行いました。説明や指導をして頂いた皆様、大変お疲れ様でした。

作業後は、懇親を深める食事会。昼間と違い、ざっくばらんな会話に花が咲きました!

【10月26日(金:4日目)】

本日も引き続き野外作業を行いました。
午前中は、芦別市森林組合の藤田課長、新村さん、芦別市農林課林務係の石田係長の指導の下、森林調査体験として調査区の設定、胸高直径と樹高の測定を体験しました。次に場所を移して、枝打ち・つる切り体験を行いました。さらに地拵えとGPS測量の体験を行いました。それぞれ何のための作業をしているのか、目的を確認しながらの進行となりました。

森林調査体験。最初に調査区の設定です。コンパスグラスで方向を決めます

そして、調査区内の立木の胸高直径を輪尺で計測しました。2cmずつ数値を把握します

次に音波測高器で樹高を測定します。梢端が見える位置に移動するのがポイント

最後に石田係長から講評です。森林の状況を所有者に説明する為に必要な作業です

場所を変えて、枝打ち体験です。手鋸などで枝を落とし無節の良材を作る作業です

植栽木に絡み付くツル植物は、鉈で切り落とします

地拵え体験では、最初に刈払機でササや草本類を刈り取ります

続いて、枝条(枝葉)やササなどを人力で除去し、苗木を植付けられるように整備します

次はGPS測量です。植栽面積の測定や植栽に必要な苗木を算出するのに必要な作業です

GPSを持って計測箇所の外周を歩くことで、対象面積が高精度で算出されます!

昼食後は、永野専務の案内の下、矢田木材株式会社の事業箇所にお邪魔し、素材生産現場の見学と重機の操作体験などを行いました。さらに、芦別木質バイオマス開発協同組合さんのチップ化の作業と、そのチップを利用しているスターライトホテルのチップボイラーを見学させて頂きました。

午後からは、矢田木材(株)の造材現場にお邪魔しました。

早速、グラップルの操作体験です。操作方法を聞いても、思うようには動かせません

ハーベスタはさらに操作箇所が増え、お手上げ状態でした…

フォワーダの運転も体験しました。こちらの操作は簡単でした

場所を移して、芦別木質バイオマス開発(協)のチップ化の現場にお邪魔しました

 

作業の終了後、市内の焼き肉店で懇親会を行いました。
本日も、芦別市の皆さんの協力のおかげで体験・見学ができ、有難うございました。

懇親会場は市内の焼肉屋さん。ラムとホルモンをたくさん食べました!

 

【10月27日(土:5日目)】

本日は朝から雨模様でしたが、午前中は木材製品を生産する加工会社を訪問するので、影響はありません。
午前中の最初は、芦別木材協会に加盟する滝澤ベニヤ株式会社さんにお邪魔しました。阿慈知部長の案内で、会社概要の説明と工場内の案内をして頂きました。

滝澤ベニヤ(株)では、滝澤社長からの挨拶でスタートしました

工場内に入る前に、阿慈知部長から厚さ0.6mmの単板を触らせてもらいました

煮沸槽で木材を温め、材質を柔らかくします

その後、皮を剥き、「桂剥き」のように単板を製造します

裁断された単板を手にします。まだ温かみが残っています

乾燥させた単板を特殊なテープで繋ぎ合わせますが、そのスピードに驚嘆!

続いて、空知単板工業株式会社さんにお邪魔し、櫛引部長の案内で工場内を見学させて頂きました。木材がどうのように使われていくのか、参加者は興味を持って見学し、質問をしていました。

続いて、空知単板工業(株)にお邪魔し、櫛引部長から説明を頂きました

輸入したホワイトオーク。原木は、外材が8~9割を占めるそうです

樹種によって、様々な色合いや木目となるため、特徴を引き出すような採材が重要

化粧板を2人で連携して貼る作業。息ピッタリで、こちらにも参加者は驚嘆!

空知単板工業さんで製造する様々な木製品。木目の具合など、木の良さが出てます

世界の銘木コーナー。初耳の樹種がたくさんあり、色、木目も全く異なります

以上で、空知エリア林業お試しツアーは終了です。
昼食後は、永野専務、石田係長、道庁林業木材課の森久保主査と共に、道の駅の会議室で、就業・移住相談会です。体験・見学内容をふりかえった後、芦別市での林業への就業などについて意見交換をしました。女性が素材生産現場で働くことに理解がある林業事業体があるか、どのような林業機械の開発の可能性があるのかなど、今回の林業お試しツアーに参加して得られた経験や知見を基に、様々な項目について話し合いができました。
4泊5日のツアーは、これで全て終了しました。参加者からは、「芦別市を含めて、林業への就業に向けて進んでいきたい」との前向きなコメントを頂きました。ツアーに関係した皆様、大変お疲れ様でした!

就業・移住相談会では、永野専務や石田係長などから助言が数多く得られました

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