林業お試しツアー2018 知内町ツアー実施レポート

【10月15日(月:1日目)】

本日からの知内町を中心にした林業お試しツアーには、京都府在住(札幌市出身)の30代男性、青森県在住の30代女性、札幌市在住(愛知県出身)の女子大学生の計3名が参加しました。
参加者全員が合流してから知内町役場に行き、最初に大野町長を表敬訪問しました。町長から「知内町を体感して下さい」と激励された後、ツアーがスタート。プログラムの最初は、知内町役場内で渡島総合振興局西部森林室の神馬室長から、北海道の林業の特徴や、林業の仕事の内訳、最近の北海道林業に関する話題などの説明がありました。引き続き、知内町林業振興係の川口さんから知内町の林業の説明がありました。参加者からは「林業の概要がよく理解できた」、「見ていない林業のイメージができて良かった」などの感想がありました。
さらに、知内町地域創生推進係の大谷係長から、知内町の特徴を様々な角度から説明して頂きました。説明後には、実際に屋外に出て、各施設の見学をしました。参加者は「話だけでなく、実際に見学できて良かった」と高評価でした。
明日から本格的な知内町の林業に関する体験・見学がスタートします。

座学の前に、大野町長を表敬挨拶。町長室には知内町産の木製家具がたくさんありました!

神馬室長からの林業・木材産業等の説明。分かりやすいスライドと説明は高評価!

知内町の川口さんから、「小さな町ですが、林業会社が6社もあります」などの説明

知内町の大谷係長から、暮らしや生活に関する説明です

町内見学の最初は町民プール。熱源は木質バイオマスで、地元のスギ材が使われてます

地元スギ材で建てられたセミオーダー住宅。20年の賃貸料の支払い後は、持ち家に!

町内の景勝地、矢越海岸。遠くに青森県も見えています

地元材が使われた「しりうち地域産業担い手センター」に宿泊。その手続き状況です

明日から使用予定の林業用防護服を試着。気分が盛り上がります!

参加者同士の親睦を図るため、担い手センター内で鍋パーティーです

【10月16日(火:2日目)】

今日から知内町林業お試しツアーの本格的なスタートです。
循環的な林業を行う上で、知内町内に唯一無い種苗業者さんへ、まず訪問します。近隣の北斗市にある有限会社谷口精光園にお邪魔して、代表取締役の谷口社長から説明を頂きました。苗木生産の実際の現場を見学し、谷口社長の苗づくりの思いに触れ、参加者からは良い話が聞けて良かった、などの感想がありました。

谷口社長から「トドマツは5年で出荷する」との息の長い話に驚嘆

トドマツコンテナ苗は、2年生苗を移植して現在4年目。空気根切りの話に「へぇ~」

出荷待ちの4年生トドマツコンテナ苗。10本ずつラッピング。1本は約230円

こちらはトドマツの裸苗。5年生苗は根がしっかりして好まれるが、4年生と同価格…

スギ裸苗の掘り取り作業。トラクターで根切りし、、、

根に付着する土を人力で払い落とします。スギ裸苗は3年生で出荷

規格外や側枝が伸びた苗は廃棄。谷口精光園さんは年間98万本を出荷するそうです!

 

午後からは、函館市内の渡島総合振興局に移動し、林業労働安全講習を安全衛生指導員の板垣さんから講義して頂きました。参加者は、実際に使用する前に講習を受けていて、心持ちが違った、などの感想がありました。

安全衛生指導員の板垣さんから、林業の労働安全に関する講義です

座学だけではなく、実際に機械を手にして重量感や手触りを確認

規「最近はダニや蜂刺されが怖いです」と、ダニ取りようのピンセットを手に解説

 

安全講習後、知内町に戻り、知内町森林組合の櫻井参事らの指導の下、明日植栽する箇所の下草刈りを行いました。先程の安全講習で実機には触れましたが、実際に刈刃が高速回転したり、地形の複雑さや苗木を誤伐しないように配慮したりと、最初は苦戦する様子がありましたが、徐々に慣れていきました。

知内町に戻り、早速刈払機の操作体験です。まずは刈刃の装着から

最初は、知内町森林組合の小原さんの模範操作。先程の安全講習を思い出します

最初はおっかなびっくりです

刈った草が絡まり、刃が回転しなくなることも

刈った草も同一方向に倒れ、とても上手にできていました!

体験後に、櫻井参事から講評。「厳しい地形でも、一定のリズムの作業が大事」

【10月17日(水:3日目)】

今日は、午前中に植付け体験と枝打ち体験、午後は森林調査などの体験です。
まずは、昨日下草の刈払いをした場所において、知内町森林組合の櫻井参事の指導で、植付けの体験です。3年前にスギを植えましたが、エゾシカやネズミの食害などで枯れた箇所に植え直す“補植”という作業です。朝方はヒンヤリとしていましたが、鍬を振るううちに、参加者の皆さんからは汗が吹き出しました。

櫻井参事の模範作業。枯れたスギ苗を抜き、そこを鍬で掘り、苗を植えます

いざ、実践!(まだ厚着をしています)

意外と平坦地の方が、腰にかかる負担が大きく大変なようです

「雑草が多く鍬入れが大変」との事。谷口精光園さんの生産の苦労を感じつつ植えます

櫻井参事からの講評。1人15本前後の植付けで、すっかり汗だく(薄着に変身)

 

次に、30年生弱のスギ林に移動し、枝打ちの体験をしました。幹の太さがビール瓶の直径(約7cm)程度となる高さまで枝打ちをしても良いそうです。

枝打ち体験です。櫻井参事の模範作業で、下の刃の使い方がポイントとの事

高所用鋸の柄が短いと首が疲れ、長いと重さがこたえます

やることは単純ですが、厳しい作業です。良材の生産には必要な作業

枝打ち後のスギは、スッキリとします

昼食後は、GPS測量の体験です。参加者全員が測点箇所において機械で測位し、それを繰り返すことで面積を測定してみました。

午後はGPS測量の体験から。大まかな機械の説明をした後は、実践

「次はあっちの方向!」

全ての測点で測位した後は、面積の算出です。一人ずつ微妙な誤差がありました

 

続いては、渡島西部森林室さんの協力で、森林調査体験を行いました。何故このような調査が必要なのか、理解することがとても重要でした。

続いて、標準地調査体験です。まずは調査区の設定として、コンパスグラスで方位の確認

調査区内の全ての立木について、直径を胸の高さで計測します

直径階ごとの高さについて、音波測高器で計測します

最後に、間伐せずに残す木を選んでみました。“残す理由”を考えることが大事です

そして、本日の夜には知内町や渡島総合振興局などの方々との懇親会がありました。知内町特産の牡蠣やニラを食しながら、参加者の皆さんは、さらに知内町を知る契機となったようです。

関係者一同で懇親会をやりました。知内町の皆さんはとてもフレンドリーです!

 

【10月18日(木:4日目)】

本日の午前中は、木材の利用に関する見学です。
最初に、知内町森林組合の土場にお邪魔し、櫻井参事からチップ化作業の説明を受けました。

グラップル→チッパー機に木材投入→チップ化→運搬車へ投入、という流れ作業です

チップを積載したトラックは、約300km離れた苫小牧まで走ります

続いて、株式会社湯の里木材工業さんにお邪魔し、奥山会長から単板の製造過程などの説明をして頂きました。さらに、有限会社松田林業さんにお邪魔し、松田社長と松田専務から製材や木材乾燥などについての説明をして頂きました。午前の終わりには、町役場周辺の地域熱供給の状況も見学させて頂きました。

(株)湯の里木材工業の奥山会長の説明。「貯木場の散水は、木材の腐れや虫害の防除」

加工前の煮沸は、材が割れない適度な温度にすることが重要

ロータリーレースは、最小径6cmまで可能。歩留まりは40~45%

特殊テープで繋ぎ合わせた単板

単板を重ね合わせた合板で、かつてはスキー板やパチンコ台などを製作

(有)松田林業の松田社長。「原木の皮剥きから始まります」

皮剥き後の材を帯鋸で挽いて製材します

社長の息子の松田専務から、乾燥機の説明を受けました

松田専務は、知内町の町おこしにも注力。町おこしネタを熱く語ってくれました!

町役場のチップボイラーを見学させてもらいました

午後は、場所を知内町有林の伐採現場に移して、素材生産現場の見学とチェーンソーの操作体験を行いました。株式会社端場事業所の端場専務らの指導の下、枝払いだけでなく、伐倒も体験しました。その後、知内町森林組合の土場に再度お邪魔し、グラップルの操作体験をさせて頂きました。

午後からは素材生産現場へ。まずは頭から足元まで防護服でフル装備です

最初に、基本的なチェーンソーの使い方と、伐倒の方法などを端場専務が実演

次に、参加者が一人ずつチェーンソーを使った枝払い体験をしました

チェーンソーの向きについて、アドバイスをして頂きます

伐倒作業も体験しました。もちろん指導者の監督の下です!

伐倒後の検証。伐り跡から良し悪しが評価されます。伐倒の難しさを体感しました

チップ化の土場で、グラップルの操作体験も行いました

慣れた人は、流れるような操作。でも初心者は考えながら、一つ一つの動きが細切れ…

操作している内に、徐々に細かい作業ができるようになりました!

 

本日の説明や指導をして頂いた皆様、大変有難うございました。

【10月19日(木:5日目)】

最終日の午前中は、株式会社齋藤製作所さんにお邪魔し、家具の製造の現場を見学しました。齋藤会長と中山社長の案内の下、工場内を見学させて頂きました。身近な施設のイスを製作していたことの紹介をして頂き、参加者も驚いてました。大変有難うございました。

(株)齋藤製作所の齋藤会長(左)と中山社長から、京都の南座に納入したイスの説明

単板を接着剤で積層し、合板にする工程の説明

合板を加圧して、イスの形に成型するプレス機

プログラムされた機械による部材のカットや研磨の工程もあります

細かい部材のカットは手作業。複雑さに感嘆!

自然の風合いに塗装されました。塗装後はしばらく養生します

続いて、ウッドファミリー株式会社さんにお邪魔しました。岡田社長からは、工場見学の前に森づくりや樹種の違いなどに関して、熱心な講義をして頂き、その後にフローリング工場の説明をして頂きました。

ウッドファミリー(株)の岡田社長から、最初は北海道広葉樹などの“講義”

北海道産の広葉樹材の自然乾燥の状況。ナラやニレ、カバなどがあります

人工乾燥機の温度・湿度を手で確認しました

フローリング材の表面加工するサンダー(巨大な紙やすり)

岡田社長が、フローリング材の組み方の一例を実践

塗料は自然派を使用してます

全ての見学・体験を終えた後、しりうち地域産業担い手センター内において、就業・生活相談会としてツアー全体のふりかえりを行い、要点の再確認などを行いました。参加者からは、「山の仕事全体や移住の両面が分かった」、「知内町が好きになった」などのコメントがありました。
全てのプログラムを終え、帰路につく前、(株)湯の里木材工業の奥山会長の薦めで、道南うみ街信用金庫知内支店の地元スギ材の利用状況を、急遽見学させて頂きました。
参加者をはじめ、関係者の皆様、大変お疲れ様でした。

「林業のやりがいは?」「誇りを持ってやれる。幅広い世代が繋がり合える」など

道南うみ街信金知内支店を見学。突然の申し出を快諾して頂いた支店長様に感謝です

4泊5日で連帯感が生まれた参加者3人。良い就業・移住に繋がれば良いですね

 

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