一次産業インタビュー:アンビシャスファーム(北海道江別市)

北海道江別市にあるアンビシャスファームでは、農業生産法人として多くの方を従業員という形で受け入れながら、米や野菜の生産・販売を手掛けています。

ご自身も道外から移住して北海道で農業の仕事に就かれたという代表取締役の柏村章夫さんに、農業を始めたきっかけや北海道での農業の様子、また新規就農と雇用就農の違いなどについてお話を伺いました。

(記事内の情報はすべて取材当時のものです。)

【柏村さんが農業を始められたキッカケを教えて下さい】

私は山口県出身で、農業とは全然関係のない家庭で育ちました。大学選びの時に、将来、自然と共に生きる職業が良いなと思い、江別市にある酪農学園大学に入りそこで農業を勉強しました。大学卒業後、一度商社に入って商品の流通や物の販売を経験しましたが、震災があり、物をゼロから産み出せる仕事に強く魅力を感じて、それをキッカケに北海道で農業をすることになりました。

【農業をされてみて、いかがですか?】

大変なこともありますけど、やりたいこともやれていますし、日が明けたら朝早くから仕事をして、日が暮れたら終わるという、自然の中で人間らしくできることが良いなと感じています。それと、休みなしのイメージもあるし実際そういう時もありますが、家族のそばで働くことができ、サラリーマン時代より家族といる時間が増えました。そこが良かったと思いますね。

また、うちはお客さんとの距離が近いので、自分が作ったものでお客さんが喜んでくれるのがダイレクトに伝わってきて、社会の役に立ってることをすごく感じます。それがやりがいにも繋がっていますし、私たちの喜びでもあります。

【いま農場で働いていらっしゃるのは、皆さん北海道の方ですか?】

うちは正社員が7名、パートの方が10名いるのですが、札幌の方もいれば、本州から来ている方もいます。今は、なんとか回せていますが、募集をかけてもなかなか人が集まらず、やりたい作業があっても必要な人数が集まらないことがありました。

【人集めで、何か工夫はされているのですか?】

うちはマルシェやFacebookで情報発信をしているので、そこから若手が集まってやっている農家だと知り、私も働いてみたいという方がパートさんとして来てくれるので、助かっています。

マルシェやFacebookでの情報発信は、宣伝というより自分たちの価値観を伝えているので、そこに共感してくれた人が仲間に入ってくれるイメージですね。

私たちは、次世代が魅力的に感じる農業をという志を持ってやっている会社なので、自分たちの思いが伝わるように情報発信することを心掛けています。

私たちは農業の可能性を事業化する中で、私たち自身が農業を楽しみ、その楽しんでいる姿を伝えていきたいと思っています。やっぱり、農業を直接やっている私たちが発信していくことで、今まで伝わっていなかった農業の魅力が伝わると思うので、そういったところを、同世代含め次世代にも伝えていきたいなと思います。

【未経験者もいますか?】

います。今年、女の子が新入社員で入ったのですが、その子はもともと農家とは全く関係ありませんでした。

やはり、新規就農という形で独立したいと思うと、土地が空く空かないの問題もありますし、栽培技術、販売先など色々問題があります。その点、雇用就農という形で法人に入り、職業の一つとして農業をする形はそれほど敷居が高くなく、勇気を持って扉を叩いてくれれば道はあると思います。

【農場での、一年の流れを教えて下さい】

雪が降る北海道での農業は、2月くらいから除雪作業をしてハウスの周りを除雪し、ハウスを建てるところから始まります。3月から種まきが始まり、育苗という苗を育てる作業が4月から5月にあります。そこから定植などをして、6月くらいからブロッコリーなどの野菜の収穫が始まります。

夏場は定植と収穫を繰り返し、11月末くらいまで収穫します。その後、うちでは雪中キャベツという、秋に獲ったキャベツを農道に並べ、雪を活かして貯蔵しながら収穫するものをやっていまして、それを1月中旬から1月末くらいまで行います。

2月、3月は今年度の反省と来年度に向けての計画、研修に行ったりと、そんな1年の流れですね。研修は、道内はもちろん道外のものにも参加します。本州に行くことも多いです。

【一日の流れはどのような流れですか?】

朝4時くらいに起きて、畑に行き5時から7時くらいまで収穫作業。
7時から8時くらいまで出荷作業をして、その後また他の野菜の収穫作業が午前中いっぱいあります。
昼食後、午後はパッキング作業をして、夕方また出荷をしに行き、帰ってきてハウスを閉めたり事務仕事をし、6時から7時くらいに帰るというのが1日の流れです。

うちは基本8時間と決めていますので、朝早く出て昼過ぎには帰る人もいます。

【これからのアンビシャスファームについて、お聞かせください】

先人がいて開拓してくださって畑があって、その当時当時で一生懸命農業されてきた方がいるから今私たちが農業をできている。そういった先人に感謝と敬意を持って仕事をするのはもちろんですが、私たちも、これからも持続可能な農業をするために、例えば輪作をして畑が偏らないように回したり、エコファーマーとして農薬や化学肥料を必要最低限で作っていくことなど、心掛けています。

法人を設立してまだ3年なのですが(取材当時)、実際に農業をやって感じることは、世間の農業に対するイメージが変わってきていることです。農業の持っている価値や意味が変わってきているなと。農業の新しい可能性を多々感じることがあって、野菜やお米を生産することだけではなく、農場に遊びに来て虫と戯れても良いですし、ただボーっと過ごすだけでも良い。体験農場や、人が農場に来て楽しむような農業の展開をしていきたいなと思っています。

【農業をしてみたいと思っている方へ、メッセージをお願いします】

偉そうなことは言えませんが、人生をかけるだけの価値のある職業だと私は思っています。実際農業に入ってよかったなと感じています。やりたいと思っている人がいたら、ぜひ一歩踏み出してほしいです。働く場所がなかったら、ぜひうちに。社員としてでも良いので、来てもらいたいなと思います。

家族は本州の人間なので、農業に対するイメージがそれほど良いわけでもなく、反対もありましたが、自分が農業に入ってみると、思っていたよりハードルはありません。自分の心が折れなければ上手く進んでいくと思いますよ。

取材協力:アンビシャスファーム
http://ambitious-farm.co.jp

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Facebookページ

PAGE TOP